はじめに
FEMYELL(フェムエール)は、女性のあらゆるライフステージに寄り添うプライベートサロンです。身体と心の声にじっくり耳を傾け、助産師として、そして一人の女性として得た経験をもとに、必要とされるケアを必要な人へ届けていきたい。そんな思いから、この場所を立ち上げました。この場をお借りして、私共の歩みをご紹介させていただきます。
About
このたびは、FEMYELLのホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
ここでは、私自身のこれまでの歩みやFEMYELLを始めた経緯について、ご紹介させていただきます。
少し長くなりますので、章ごとに分けてお伝えいたします。ご関心のあるところからお読みいただけましたら幸いです。
FEMYELL 藤井 沙紀

進路に迷った学生時代と
助産師という仕事との出会い
高校時代、将来の自分の姿がなかなか思い描けず、正直に言えば「やりたいこと」がはっきりしていない学生でした。ただ、昔から理科、とくに生物が好きだったこともあり、興味の赴くまま農学部へと進学。 しかし大学3年生を迎え、周囲が就職活動を始める中で、私は「一生をかけてやりたいと思える仕事とは?」「人と深く関わり、感動を得られる仕事をしたい」と強く考えるようになりました。 そのとき出会ったのが「助産師」という職業でした。命の誕生に立ち会い、人に寄り添う仕事。この仕事こそ自分が探し求めていたものだと確信し、看護系大学への学士編入に挑戦しました。 (※学士編入制度:すでに大学を卒業した人が、別の専門分野の大学へ再度入学する制度) みんなが就活に向かう中、私は学士編入の試験勉強に没頭。限られた受験枠だと知りな がら、不思議とあまり不安感はなく、どうしても助産師になりたいという思いに突き動かさているようでした。 結果、無事に合格し、農学部卒業と同時に看護大学へ入学しました。 大自然の弘前から大都会の東京への引っ越し。 自分の生涯の仕事、助産師になるための大きな転機を迎えました。
“やりたい”がある毎日
― 看護大学での学び
学士編入※を経て、私は東京の看護系大学に進学しました。 地元は富山、そして最初の大学は弘前。だからこそ、東京という土地のエネルギーは私にとってまさに別世界でした。 人の多さ、情報の多さ、選択肢の多さ――。触れるものすべてが新鮮で、東京の喧騒やスピード感に中毒のように魅了されながらも、夢中で学び、吸収していきました。 看護大学では、「助産師になりたい」という明確な目標があったからこそ、学びの毎日はこれまでにないほど充実していました。 学士編入で入ってきた仲間たちも、自分の人生に目的を持ち、社会人経験を経て来ている人も多かったので、年齢も価値観もバラバラで、それがむしろ刺激的でした。人生の選択肢が多様であることを、仲間との対話の中で自然と学んでいった気がします。 中でも、4年次の助産学実習は、今思い返しても、最も充実して没頭できる時間でした。「頑張ろう」と気合を入れなくても自然に頑張れてしまうくらい、熱中していました。あのとき、わたしは「好きなことは、人に力を与える」ということを身をもって経験しました。 学校生活のことを書いていたら当時の生活を思い出したので追記してみます。 私は、当時門前仲町の共同住宅に住んでいました。家賃は月4万円。トイレも洗面もキッチンもシャワーもすべて共同、自分の部屋は約6畳(8畳だったかもしれない)一間だけ。 この生活で身についた特技のひとつが、「シャワーの速さ」。 共同シャワーはコイン式で、100円で3分(5分だったかも)。なんとなく1コインで済ませたい気持ちになってしまい、毎日真剣に浴びていたので、今でも身支度は早い自身があります(笑)。 狭くて、プライバシーもあんまりなくて、それでも不思議と窮屈さはなく、 「やりたいことが明確である」ということが、生活そのものを豊かにしてくれる。その感覚を、私は東京の狭くて騒がしいけれど自由だった部屋で、しっかりとつかんでいたのだと思います。 (※学士編入制度:すでに大学を卒業した者が、専門職に必要な学士を取得するために、大学の2年次または3年次などに編入できる制度
“助産師になった私” と
“母になった私”
看護大学を卒業後、私は総合周産期医療センターに就職しました。 希望していた産科病棟ではなく、配属先はNICU(新生児集中治療室)。 早産や病気を抱えて生まれてきた赤ちゃん、そしてそのご家族と関わる日々でした。 命の始まりに寄り添うだけでなく、時に命の限りと向き合う現場で、もしもすぐに産科に配属されていたら、感じることができなかった多くの思いや価値観に触れました。 その後、結婚を機に東京から京都へ移り住み、出産を経験。 可愛い女の子を授かり、「母になった」という喜びを感じながらも、私の中にはもう一つの強い思いがありました。 ――「助産師として、一人前になりたい。」 大学に編入してまでどうしてもなりたかった、助産師という仕事。 時間も労力も注いで、ようやく手にした夢。 「もっと学びたい」「もっと成長したい」という気持ちと、「子どもを一番に考えたい」という母としての思いの狭間で、私は何度も立ち止まりました。 育児に心から集中できない自分にがっかりし、自尊心はじわじわと削られていきました。「私は母親としても助産師としても半人前。なにも上手くできない。ダメだ」――そう思い込んで悩む時間も少なくありませんでした。 「もっとこうありたかった」という理想と「今の自分」とのギャップに苦しみ、自分自身がわからなくなってしまう——まるで二度目の思春期のように、アイデンティティが揺らぎ続けた時期でした。 今思い出しても胸が苦しくなるような、そんな時間でした。
助産師としての歩みと
見つけた“今のわたし”
理想と現実のはざまで揺れながらも、病院勤務に加え、地域の母子訪問などさまざまな現場で、助産師としての経験を少しずつ積み重ねていきました。家族や友人の支えに助けられながら歩んだ日々でしたが、常に順調だったわけではありません。自分に対する期待が大きすぎたことで苦しくなり、思うように前へ進めない時期もありました。 新しい命の誕生に立ち会い、家族の形が変化していく瞬間に触れ、母となる女性たちが揺れながらも自分らしさを模索していく姿を見つめてきました。その中で、助産師として、ひとりの人として、私の感性は少しずつ磨かれていきました。 相手の気持ちに思いを巡らせ、どんな言葉が届くだろうと真剣に考えて伝える。その積み重ねの中で、私の中にもやもやと渦巻いていた感情が、ゆっくりと整理されていったように思います。誰かにかけた言葉が、必ずしも自分に必要だった言葉ではありません。でも、人との関わりの中で、揺らいでいた自分の輪郭が少しずつ見えるようになっていきました。 妊娠や出産という人生の大きな節目で揺れている相手の姿の奥に、私は自分の姿を重ねていたのかもしれません。人を癒したい、寄り添いたいと願ってかけた言葉は、わたしがわたし自身に寄り添うために必要な言葉だったのだと、今は思います。 「できるかできないか」ではなく、「今のわたしをどう活かしていくか」という問い。それが、私の価値観を大きく変えていきました。そしてそれこそが、FEMYELLを立ち上げる原点になりました。 太田さんとは、もう10年以上の関係になります。助産師として、共に歩んできた大切な存在であり、わたしが、つらかった時期も、共に仕事をしてきました。時には家族よりも長い時間を共に過ごしてきて、FEMYELLをともに作っていく唯一無二のパートナーです。 振り返ると、この15年間、私は、娘に“後ろ向きな母親”の姿ばかりを見せてしまっていたように思います。だからこそ、子どもが自分の価値観を育てていくこの大切な時期に、できる限り“前向きに頑張る姿”を見せたいと思いました。なにかになろうとしなくても、自分を信じて立ち上がる姿。揺れながらも崩れない、自分の芯を持って生きる姿を。 とはいえ、FEMYELLを始めてからも、余裕のない毎日が続きました。家事が後回しになったり、娘の話をゆっくり聞けなかったり。でも、そんな私を受け入れ、文句一つ言わずに静かに支えてくれる家族がいます。 できない自分を否定するのではなく、できない理由と向き合って少しづつでもできる方法をみつけるための努力をする ——ようやく、少しだけ理想の自分に近づけた気がします。 これからの私の答えは、FEMYELLの活動の中にあります。迷い、悩み、揺れた時間があったからこそ、今の自分があります。この今の答えを、同じように揺れながら生きている女性たちと、少しずつ分かち合っていきたい。それが、今の私の願いです。
おわりに
ペリネケアは、出産後の女性だけでなく、更年期以降も含めたすべてのライフステージの女性にとって、大切なケアのひとつです。 しかし、現状の日本では十分に知られておらず、「年齢や出産後だから仕方ない」と、困りごとを抱えたまま過ごしている方も多くおられます。 FEMYELLでは、ペリネケア先進国フランスで採用されている医学的な根拠に基づいた「ガスケアプローチ(非侵襲的な骨盤底筋アプローチ)」を取り入れた、安心で効果的なケアを提供しています。 産前産後のサポートはもちろんのこと、尿も れや骨盤の不調、更年期に伴う不快症状などにも、専門的な視点から寄り添うことを大切にしています。 「何か気になる」「でもどこに相談すればよいかわからない」 そんな女性たちの気持ちに、丁寧に耳を傾けられる場所でありたいと願っています。 FEMYELLが、皆さまにとって心身ともに安心できる場所となりますように。

About
準備中です
FEMYELL
「女性〔FEMME〕へエール〔YELL〕を送りたい」
という気持ちで、このたび伏見桃山に
開業することとなりました。
FEMYELLでは多くの女性が
トラブルに悩むペリネ(骨盤底筋群)を中心に
女性のからだのケアをします。
FEMYELLは助産師が運営するサロンです。
助産師は、産前産後の女性だけでなく、
すべての女性がこころとからだの健康を
保てるようサポートする職業です。
授乳が抱っこがつらくはありませんか。
腰痛や肩こりはありませんか。
尿もれや便秘、痔の症状はありませんか。
これらの悩みやトラブルは
ペリネ(骨盤底筋群)と
大きく関係しています。
あなたのからだの悩みを教えてください。
助産師が一緒に解決へとサポートします。
わたしたちが目指す目標は
一人一人が自分自身のからだの状態を知り
それに合ったセルフケアができるように
なることです。
ペリネのセルフケアができるようになるまで
サポートします。